2013年12月31日火曜日

2013年の「浜」を振り返って




















2013年も今日が最後。















大晦日。夕方の竹野町の空に、少しだけ太陽が出た











今年も“巻の浜”で色んな出会いがあった☆

そして一層、この巻の浜に夢中になっていくのが実感できた一年。





本当に巻の浜集落は魅力的だ。

浜に行く度、今日はどんなところに、誰に出会えるか

楽しみで、楽しみで、ずっとワクワクしていた。



しかし、出会いもあれば

ここ数年の浜集落は変化が激しかった。

主に「浜茶屋(民宿・季節旅館)」の減少

ほんとに一気に

大好きな景色が次から次に消えていった。













私がまだ小さい頃、毎年夏になると

家族で角田浜へ海水浴に出掛けた。

そして必ず浜茶屋「みかど」さんで休憩をする。



海に出たり入ったりして

お昼になると、焼きハマグリやラーメンを食べた思い出や、

当時流行っていたミルクセーキを玄関にあった冷蔵庫から選んで飲んだこと、

外の灼熱とは別世界の、風が通って涼しい座敷から、

今より遙かに広かった砂浜をボーっと眺めている感覚、

いつも窓越しにお隣さんの「しのだや」さんや「角田屋」さんの

中にいるお客さんをみていたこと

どれも些細なことだけれど、一生忘れることのない思い出。








茶屋と茶屋の間の海への出入口。生活感溢れる通路の空気は
意外とひんやりとしている

茶屋が軒を連ねていた様子を想像できる貴重な資料












































































約54軒の店がすき間なく軒を連ね

駐車場からでは店が並んでいるため、浜の様子が見えないほど。

また、遊び終え海から上がり、茶屋へ戻る際には

あまりにも似ている外観、同じような名前の店が連なり、

自分の戻るべき茶屋がどこにあるか

見失うほどであったような思い出もある。




  

しかし、そんな思い出いっぱいの茶屋は

2002年頃に「みかど」さんが店を閉じたのを皮切りに

年に数件ずつ、閉じる店が増えていった。




そして2008年の暮れから2009年頃にかけて

別天地駐車場(中央の駐車場)にある茶屋が4軒、一気に取り壊された。




その光景を見てはじめて、

私はこのまま静かに、

この場所が当たり前のように

なくなっていってしまうような気がして

勝手に危機感を感じた。




















浜のありのままの様子を

せめて写真の中でも残そうと思ったのはその頃からである。



といっても、

取り分けて親しい繋がりのなかったこの土地では

しばらくはどうすることもできず

もどかしくって、仕方がなかった。




しかし、

角田の皆さんは自分が思っている以上に

見ず知らずの私を快く受け入れていただいた。

自分が勇気を出してアタックすれば、

ほんの少しずつであっても着実に距離を縮められる感じ

それが嬉しくて、嬉しくて、仕方なかった。








あるときは

角田の歴史を教えていただき、


またある時は、古い写真を見せてもらった。




























































































閉店後の茶屋では

毒消し行商の思い出を話していただき、













冬の寒空の夕方に訪れたときは、

こたつでお茶を飲ませてもらったりもした。















そして、取り壊しの前の茶屋に

入れさせていただいたこともあった。






雨戸で閉じられた暗い茶屋の中で
思い出の品をひとつひとつ整理する様子をそばで見させていただき




ひとつのお店が長い歴史に幕を閉じるということが

どんなことなのかを初めて感じたときであった。

















本当に

一生忘れることのできない経験をさせていただいた。








来年2014年にはまた一軒、

茶屋が店を閉じる予定だ。















町は変る。変らずにはいられない。


それはやっぱり寂しいことであるが、


仕方のないことでもある。
















2013年も終わる。















2014年の「巻の浜」よ、幸あれ。























2013年12月30日月曜日

なくなった香風館。そして謎。













今年もあとわずか。










一週間ぶりに訪れた海水浴場。

























まだ看板が残っていたから











長い間役目を果たしたこの看板もあともう少しでなくなる。











もしかしたらまだ鉄筋部分の一部は残ってるのではないかと


わずかな望みを持って香風館へ。

























そりゃ、そうだ・・・。




















そうだよな・・・。









でも、























最後は出来る限り足を運んで

香風館の名残に触れられたから

ちょっとは整理がついてきた




















そしてなんと言っても

この自分の心の中の香風館ロスの一番の救いになったのは

香風館の店主・山本さんがご自宅に呼んでいただいて

ゆっくり、在りし日の香風館を写真を見ながら語れたこと!







もちろんだけども

本当に色んな葛藤の末の決断だったこと。

そして、静かに店を閉じたこと。

色んな思いを語っていただき、

もう十分すぎるほど、納得ができた。











香風館さんご自宅での出来事。



ご飯をいただきながら古い写真や資料をみていると・・・











クイズがでてきた。





ちょっと難しすぎる!





つくった本人も答えが分からず。





そして、どこにも答えが見当たらない。








この蝶の絵をおると、大層いいものが見れるそうで・・・







謎。












焼酎を飲みながら


自分のつくったクイズに頭を悩ませる正二さん。








眠れない・・・。


誰か、教えてください!











2013年12月23日月曜日

やめないで!















あの浜茶屋は


確かに このあたりにあった






























岩山の石切り場の絶壁の真下に


張り付くように建っていた。


一番岬よりなもんだから


どの店より陽のあたる時間が少なくて


真夏でもどこか落ち着いていて


すこし風変わりな、


角田の長老のような茶屋だった









わたしは、いつも、ここでコーヒーを飲んで


異常にうまいラーメンを食べていた。


























陽が沈むころになると磯釣りから戻った常連さんが集い


男達のいこいの場となった










  















私がお邪魔する時間には


お客に混じって、すでに出来上がっているフランクな店主、正二さん


手先が器用で凝り性、料理上手でおもてなし好きな礼子さん


お客は、この二人に会いにいつもここへ来ていた

























岬に灯台が建つはるか以前の昭和3年、


海水浴場でもなんでもなかった角田浜に


唯一一軒、


今よりももっと越前よりに素茶屋が建った。


それが香風館だった。




















角田の前原を数回移動して


60年前にこの絶壁の下に腰を据えた。









それから今日まで

角田浜が海水浴場として

最盛期を迎えた昭和の時代を渡って

この浜の移り変わりを全部見続けてきた


























大勢の人の夏の思い出の1ページであった。

県内外から毎年、

お盆休みに泊まるのを楽しみに

常連客が多く訪れた民宿であった。











県外からお盆に帰省する度、もう10年以上この店に泊まりに来ていた家族







福島から父と子、男同士二人で夏の思い出














そんな店だった。


でも、


もう十分、


頑張ったんだと思う






どの店のときもそうであるが

茶屋が壊されたあとの更地を見てしまうと

そこにはもともと、はじめから何も存在しなかったように

思えてしまうから、嫌だ。








壊されてしまうと驚くほど狭い敷地に

この60年余りにもわたって

何百といっても足りない程の人が

ひと夏の思い出をつくっていった




ここは

そんな尊い場所だった。





















そう、ここには香風館があった

どれだけ月日がたっても

絶対に忘れはしない。








































2013年12月22日日曜日

さよなら、香風館

 
 
私が大好きだった場所
 
 
 
  

角田浜の民宿「香風館」が店を閉じた。

突然のことだった。















正直突然すぎて、
気持ちの整理がついていない。





来年の春になればまた

当たり前に店は開いて

いつもの、あの席で

ラーメンを食べて

日が暮れるまで

ずっとしゃべって、

そんな時間が、また

当たり前に来るものだと思っていた






 
 
 
 
 

 
 
 
 
 
 
 
もう、そんな時間も
 
 
 
二度と戻ってはこないと思うと
 
 
 
 
 
 

 
 
 
 
 




 
 




 






本当に大好きだった。













あの日の、あの色、匂い、あの時

忘れるもんか










大好きな香風館、



85年間、お疲れ様でした。



本当にかけがえのない時間を



ありがとう。